未来宇宙システム事業本部は、2030年以降を見据えた先行投資とR&Dを担う部門です。その役割は単なる研究開発に留まりません。数兆円規模の市場形成が期待されるプロダクトの事業化を視野に入れ、技術・事業の両面から未来の宇宙インフラを構想しています。
未来宇宙システム事業本部が取り組む事業領域の中でも、測位事業は将来の中核事業として位置づけられています。現在、主に二つのプロジェクトを推進しています。
LEO-PNT(低軌道測位衛星システム): 高度500〜1,200kmの低軌道に数百機の衛星を配備し、GPSの補完・代替インフラを構築します。既存GPSの約20倍の信号強度を実現し、ジャミング(電波妨害)への強靭性と誤差10cm級の精度を目指します。日本国内のみならず、米・英・豪などの海外事業者との連携を見据えたサービスの提供を目指しています。
LNSS(月測位衛星システム): 8〜10機のコンステレーションによる「月版GPS」の構築です。地球のGNSS信号のスピルオーバーを月周回軌道で受信し、ノイズ同然の微弱信号からナノ秒レベルの時刻同期を実現する技術を開発しています。世界でも成功例がない超難関技術であり、国際フレームワーク「LunaNet」の標準化議論にも参画しています。宇宙戦略基金の採択を受けて実証衛星の開発を推進しており2029年打ち上げを目標としています。
このポジションに期待される役割は一言で言えば、「測位ペイロードの設計思想を確立し、LEO-PNTおよびLNSSの技術実現をペイロード側から支える」ことです。
担当いただく具体的な業務は以下のとおりです。
システム要求の確立
性能要件・誤差バジェットの配分・インターフェース定義を含む測位ペイロード全体のシステム要求書を策定します。衛星システム全体との整合を取りながら、「このペイロードが何を達成できるか」の技術的な論拠を作ります。
ペイロードアーキテクチャ設計
高安定度時刻系・GNSS受信機・オンボードエフェメリス生成・測位信号送信系の各サブシステム構成と信号形式を設計します。システムレベルのトレードオフ分析を主導し、性能・コスト・スケジュールの三軸で設計判断を下します。
技術要件の各開発チームへの橋渡し
各技術領域を担当する開発コアメンバーに対して、上位設計思想と定量的な性能要件を提供します。「なぜその仕様か」を論理的に説明し、チームが正しい判断をできる状態を作ります。
システムレベル検証の設計
試験計画書の立案と、システムレベル検証方針の策定を担います。打ち上げ前に「このペイロードは要件を満たしている」と言い切れる根拠を積み上げます。
1. 民間として世界でも前例の少ない測位システムの設計中心を担う
LEO-PNTは国内に競合ポジションがほぼ存在しません。LNSSに至っては、月周回軌道での測位インフラを本格的に開発している民間企業は世界的に見ても極めて少数です。このポジションで得られる設計経験は、他では代替できません。
2. ペイロード全体のアーキテクチャを自分が定義する
通常の大型衛星プロジェクトでは、システムエンジニアは分厚い仕様書の中の一部を担当するにとどまります。当社ではペイロードシステムからそれを搭載する衛星までを一貫して自社設計・製造しており、測位ペイロードの設計思想から信号形式まで、自分が「どう作るか」を決める立場です。
3. JAXA・NASA・ESAと最前線で技術議論を行う機会
国際コンソーシアム参画という実績は、スタートアップとして数少ない本物の訴求です。LunaNetの標準化議論への参加、国際機関との技術協働を通じて、国際的な技術コミュニティの中で自分のキャリアと知見を積み上げることができます。
4. 国際学会・論文化の機会
開発の成果は学術コミュニティにも発信します。国際会議での発表・論文化の機会があります。実績を対外的に示せる環境は、エンジニアとしてのキャリア資産になります。
5. 実証から本番システムへ——設計が宇宙で動く経験
このポジションで定義した設計思想は、実証衛星を経て将来の社会インフラへと引き継がれます。設計判断が宇宙で実証され、さらに次のシステムへとフィードバックされるサイクルを、中長期にわたって自分の手で回せます。
未来宇宙システム事業本部には、高安定度時刻系・GNSS受信機・信号処理・システムエンジニアリングを専門とするエンジニアが複数在籍しています。このポジションはその中でペイロード全体を統括する設計的役割を担います。
組織のカルチャーについて正直に書きます。
年次・役職に関係なく本質的な議論ができる環境です。「この設計の根拠は何か」という問いが歓迎されます。
一方で、「前例がない」「正解が定まっていない」という状況が日常的に発生します。LEO-PNTもLNSSも、同種のシステムを設計した経験を持つ人は世界でも限られています。教科書がない問題に自分で答えを作る姿勢が求められます。
情報の透明性は高く、全プロジェクトの進捗がSlackでオープンに共有されています。隣の事業の状況も自然に入ってきます。
支給PC:会社指定PCから本人希望に応じて支給
OS:Windows, Linux
コード管理:GitHub
タスク管理:GitHub Projects、GitHub Issues
バージョン管理:Git
使用言語:C, C++, Python, MATLAB/Simulink 等
シミュレーション:各種GNSSシミュレーションツール
コミュニケーション:Slack
グループウェア:Google Workspace
書類選考 > 1次面接 > 2次面接(+適性検査)> 最終面接